ラオス国立大学森林学部との共同プロジェクトで進めてきた「A Field Guide to Forest Trees and Plants For Forestry of Central Laos(林業のための樹木図鑑/ラオス中部編)」の編集作業が終盤にさしかかっています。
 
この地での林業の持続可能性を考えるにあたって、基本となる樹木図鑑がない、というのが最初のモチベーションでしたが、プロジェクトを進めるにつれ、様々な方々のご理解と協力をいただけるようになり、準備期間も含めると6年の歳月を経てここまで辿り着くことができました。
 
ラオス中部で主に利用されている、または森林管理上重要な樹木80種、竹類8種、つる植物12種それぞれの種について樹形、写真、見分け方、生育特性、林業に必要な情報(陽樹/陰樹、水分条件、どのくらいまで大きく育つか、木材としての特徴と用途)、さらに地域による呼び方の違いなどを掲載しています。
 
この図鑑の特徴は、とにかく現場の情報に拘ったところ。文献情報の乏しい中でそうするしか選択肢がなかったこともありますが、各地の山村を訪れ、山仕事に携わってきた村民へのインタビューを5年間地道に繰り返し、併せて収集した標本と写真資料とともに蓄積した現地情報の成果です。
 
インタビューがメインの情報ですので、学術的な裏付けは乏しい部分も多くあり、アカデミックな評価は得られないかもしれません。しかし、現場が欲しいのはたとえ不完全であっても一歩先に進むために”使える”基礎情報。これが完成版ではなく、ここを叩き台にアップデートをしながら持続可能な林業を発展させていきたいという想いが込められています。
 
この国にも開発の波が押し寄せ、モノカルチャーなプランテーションが拡大する中、継承が危ぶまれている自然に関する経験的な知見のレコード(記録)という意味でも価値があるのではないかと自負しています。
 
完成・出版の暁には改めてインフォメーションさせていただきますが、お問い合わせ等は現状でも受け付けておりますので、お気軽にお尋ねください。
 
※出版予定言語は、ラオス語および英語です

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